2009/04/21

Children -[Robert Miles]










*Playlist.comからの配信ができなくなったため、
3/10よりYouTubeによる配信になります。


今回、Playlist.comのgramali's Playlist #3で配信するのは
Robert Milesが1996年に発表した[Children]。

美しいピアノの旋律から始まるこの曲は
組曲を思わせるような繊細なトランス・サウンドにおいて
96年にヨーロッパでインストゥルメンタルとしては
異例の大ヒットを記録した。

Robert Milsは1969年スイス生まれ、
イタリア育ちのテクノ・アーティスト。
13歳からDJとして活動をはじめ、80年代後半は
ベニスのクラブ・シーンで“ロバート・ミラーニ”の
名前で活動していたという。

戦火により荒廃したユーゴスラビアで撮影された写真から
インスパイアされた[Children]。
この曲は私にとってある時期、「眩しい朝」の象徴だった。
バンコク・ソイカウボーイのそばに「Singapore Club」という
金持ち華僑の遊び場だった会員制クラブがあり、
その敷地内に[narcissus]という巨大な音楽箱があった。
1997年頃、その音楽箱に毎晩のように通いつめて
朝まで踊り倒していた頃、最後に流れる曲が
[Children]だったのだ。
現在のバンコクとは違い、酒場もゴーゴーバーも音楽クラブも
24時間営業体制だった頃の話だ。
近くのソイカウボーイで夜の天使達を誘い、
朝まで踊り戯れる中、カーテンから漏れて来る朝陽を
タオルとガムテープで目貼りしてまで
暗闇を作り踊っていた愉快なタイ人とバンコクの素敵な時代。

煙と酒を煽りながらもひたすらに踊り続けた。
音楽箱の中では誰もが国も性別も年齢も越えた友達になれた。
それだけの連帯感が毎晩のパーティに確実にあったのだ。
そして最後に[Children]。
ピアノの旋律が始まれば身体に残された最後の
気力・エネルギーがわなわなと震え沸き立ったものだ。

音の消えた音楽箱から外に出ると
東南アジアのあの粘り気の強い空気に包まれた朝がある。
抜け殻になった男、女、そして女男。
げっそりやつれていたが皆、笑顔だった。












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