2010/03/22

Rajasthan folk -#1










今回、YouTubeより配信するのは
インド、ラージャスターンのマンガニヤール、
カマイーチャ(Kamayacha,Kamaycha)という擦弦楽器で弾き語る
Duni Khanの歌である。



マンガニヤールはスンニ派のムスリムでありながら、
遠い昔はヒンドゥーのパトロンたちに仕えて生活を営み、
社会構造が変化したインド独立後から現在に至っては、
祭りや結婚式などでも演奏したり門付けや物乞いによって
生計を立てている楽士である。

歌っているDinu Khan(ディーヌ・カーン)の
弓奏楽器カマイーチャは七世代、三百年以上に渡って
引き継がれていたものだった。
楽士達が楽器を代々継承するのは、
単に経済的な理由からだけではないように思われる。

楽士にとって楽器とは
単に演奏する道具というだけでなく、
民族としての血を継承する
重要なアイデンティティに他ならない。
Dinuのカマイーチャは壊れていたため
音はアバンギャルドだったが、
代々受け継いできた楽器を捨てることは
血統を捨てることと同義であることのように思われる。

(spruce & bamboo サイトより)



映像中には3曲が収録されているが、
驚いたのが1曲目、[Dama Dam Mast Qalandar]である。
この曲はこれまでに当サイトで2回紹介している
[Lal Meri Pat]と同じである。

パキスタン・スーフィーに欠かせないこの曲が
インド・ラージャスターンの砂漠の漂泊民によって
歌われている映像としても興味深い。

マンガニヤールでも自らの音楽をスーフィーだと
明言している楽士もいるというが、
インド・ラージャスターン州とパキスタン・シンド州に
広がるタール砂漠の西に沿って流れるインダス川流域から
時を経て広まったとされるこの歌のルーツに思いを馳せることが
できることが嬉しい。



映像内3曲のタイトル

1.Dama Dam Mast Kalandar / 2. Nimbula / 3. Moomal Place: Jaisalmer
Performer: Dinu Khan Songs


この貴重かつ素晴らしい映像は、映像レーベル
クリエイター、こいでみのる氏の撮影映像である。












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