2010/09/08

Touch the Sound








今回配信するのは2005年/全米、
2006年/日本で公開された
映画「Touch the Sound」に収録されている
エヴリン・グレニー(Evelyn Glennie)の
マリンバの演奏から。

エヴリン・グレニーという女性は
1965年にスコットランドで生まれ、
8歳の頃から聴覚障害を発症し、
12歳になる頃にはほとんどの聴覚を失うが
補聴器から入り込んでくるわずかな音と
身体を通して感じる音を追いかけながら
19歳で英国王立音楽大学を卒業し、
その後は世界屈指のパーカッショニストとなる。

聴覚障害のある彼女は
音は触れるものであり、
身体そのもので感知できるものであり、
すべてのものが振動していて
振動しているものには音が宿っていて
その音は命そのものであり、
存在=表現であることを示している。


映画「Touch the Sound」では
「聴くとは何かに触れること」と語るエヴリンが
ニューヨーク、日本、カルフォルニア、
イングランド、スコットランドを旅しながら
様々な音に触れて行くことで
ストーリーが展開すると共に、
エヴリンとギターリストのフレッド・フリス(Fred Frith)が
ドイツ・ケルンにある廃墟となった
大きな工場跡地で行うCDレコーディングの
演奏風景がアクセントになっている。







監督はトーマス・リーデルシェイマー。
(Thomas Riedelsheimer)
ポートレート的映像と共に
音に対する想像を喚起させることで
見事に音の映像化を表現している。

まさに
聴覚と視覚が入れ替わるような
不思議な感覚を楽しむことの出来る映画であり、
音を、音楽を
聴く者、演奏する者、創作する者
多くの人々にそれぞれの
ひらめきを与える素晴らしい映画だ。













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