2011/01/26

Born to Be Wild -[Steppenwolf]













今回は1969年7月にアメリカで公開された
映画「Easy Rider」で使われた
Steppenwolfの代表作[Born to Be Wild]。

Steppenwolfは1967年、
カナダで結成されたロックバンドであるが、
トロントのブルース・バンド、
The Sparrowsをその原点とする。

The Sparrowsは1964年に結成され、
トロントのヨークヴィル地区にある
コーヒーハウスで活動していた。
1967年に彼らはサンフランシスコに移住し、
ブルースロック、サイケデリアが混合された
エネルギッシュな演奏を展開していたが、
当時のプロデューサーから、
より強烈なビートを披露するよう提案され
Steppenwolfとしてデビューした。

そして1969年に公開された
映画「Easy Rider」の作中にて
デビューアルバムからシングルカットされた
[Born to Be Wild]が用いられたことにより、
世界規模の知名度を得る。

映画「Easy Rider」は
ピーター・フォンダとデニス・ホッパーによる
アメリカン・ニューシネマの代表作。
(監督:デニス・ホッパー、製作:ピーター・フォンダ
脚本・出演:デニス・ホッパー、ピーター・フォンダ)
1969年(第42回)アカデミー賞で
助演男優賞と脚本賞にノミネートされ、
1998年にはアメリカ国立フィルム登録簿に
永久保存登録された。


映画のオープニング、
メキシコからロサンゼルスへのコカインの密輸で大金を得て、
ピーター・フォンダ扮するワイアット(キャプテン・アメリカ)と
デニス・ホッパー扮するビリーが
1965年型ハーレー・ダビッドソンに跨がり
これから旅に出るというシーンで
キャプテン・アメリカがそれまで着けていた
腕時計を投げ捨てる。
「時計が刻み縛る時間」というものを捨て、
2台のバイクが荒野へ走り出すと
[Born to Be Wild]のイントロが始まるのだ。


農夫の家でランチをご馳走になったり、
ヒッチハイクをしていたヒッピーを拾って
彼らのコミューンへ立ち寄ったり気ままな旅を続ける2人。
しかし旅の途中、
無許可で祭りのパレードに参加したことを咎められ
留置場に入れられる。
そこで二人は弁護士ハンセン(ジャック・ニコルソン)と
出会い意気投合。
そして、ハンセンの口利きで釈放された2人は、
ハンセンと共にニューオリンズに向けての旅を続ける。
しかしながら「自由」を体現する彼らは
行く先々で沿道の人々の思わぬ拒絶に遭い、
ついには殺伐としたアメリカの現実に直面する。

結末はあまりにも衝撃的だ。


映画の全編にわたり印象的なシーンばかりで
特に謝肉祭におけるLSD摂取後の描写は
写真的、ポートレート的映像でもあり、
視覚と聴覚が交互に刺激される。

私が特に好きで印象に残っているシーンは
夜になって焚火を囲みながらweedを吸う
弁護士のハンセン(ジャック・ニコルソン)と
ヒッピーのビリー(デニス・ホッパー)の会話だ。


「アメリカはいい国だった・・どうなっちまったんだ?」
「臆病になったのさ、二流のモーテルさえ泊まらせない。
何をビビってやがるんだ!?」
「怖がっているのは・・・、君が象徴しているものさ」
「長髪が目障りなだけだ」
「違う、君に自由を見るのさ」
「”自由”のどこが悪い?」
「そう何も悪くないさ・・
自由を説くことと自由であることは別だ。
カネで動く者は自由になれない。
アメリカ人は自由を証明するためなら殺人も平気だ。
個人の自由についてはいくらでも喋るが、
自由な奴を見るのは怖いのさ」
「怖がらせたら?」
「非常に危険だ・・・」



まさにアメリカを象徴したセリフだった。
ちなみに劇中で登場していたweedは
本物を使用していたとのこと。











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