2011/12/17

Dhamaal @ Baba Shah Kamal











パキスタン・ラホール。
約500年以上前から脈々と受け継がれている
スーフィーのダマール(舞踏)儀式がある。
その舞台は聖者廟Baba Shah Jamal。
聖者廟とは聖者の墓であり、
聖者廟の名はその墓に眠る聖者の名だ。

Shah Jamalは三兄弟、
その兄弟の一人がShah Kamalだ。
もともとBaba Shah Kamalではダマール儀式は行われていなかった。
ラホールでの木曜日のダマール儀式といえば
Baba Shah Jamalが最も有名であったが、
聖者廟が現場になるテロ事件がパキスタン中で相次ぎ、
その傾向がパンジャーブでも強くなったことから
約一年近くBaba Shah Jamalでのダマール儀式が中止となり、
その間、それまでなかったBaba Shah Kamalで
ダマール儀式が開催されるようになった。

今回のYouTubeはそんなBaba Shah Kamalにおける
2009年のダマール儀式。
Dhol(両面バチ打ち大太鼓)を演奏しているのは Gonga sain。
Gonga sainは先天的な聴覚障害を持ちながらも
ビートを振動で捉えるという神業で弟のMithu sainと
聖者廟をはじめ各国の海外公演においてDholを演奏している。



ラホール滞在中、
私達は楽士の弟子として時間を過ごしているが
大半は師匠のそばと聖者廟にいる。
夜だけでなく昼間も空き時間には聖者廟にいることが多いが
聖者廟にはいつも風が吹いている。
聖者の奇跡にあやかろうとする多くの人々の祈りの風、
スーフィーとして修行する者達の存在という表現の風、
私達の遠い記憶にあった忘我による別世界の風、
その風に乗って響く旋律と律動。

私にとってスーフィーとは
聖者廟で過ごす時間にある風に戯れ、
忘我の境地に関する教えに学び、踊り、探求し、
その在り方を実践することそのものである。











0 件のコメント :

コメントを投稿