「旅の使い」が肉体を脱し
魂の旅に出て一年が過ぎた。
パキスタンやチベットを一人で旅し、
一人で音楽雑誌『Oar』を世に出し、
バンド:Pandora’s Beatboxのメインヴォーカルとして活動し、
東京外語大でウルドゥー語を専攻していた「旅の使い」は
旅と執筆と音楽と読書と学びの時間以外は
寝る間を惜しんでバイトしていた。
雑誌を定期的に発行すること、バンド活動すること、
旅すること、学ぶことにはお金がかかるものだ。
毎日数時間の睡眠でそれらのすべてをまわしていた。
彼に限ったことではないが、
誰もがきっと「何か」を知らぬ間に削りながら人生を送っている。
それは可能性であったり、寿命であったりするのかもしれない。
「旅の使い」は風のように駆け抜けた。
あまりにも早く速く駆け抜けた。
彼の生き方はまるで爆発のようだった。
村山 和之さんが呟いた。
野上郁哉君に献杯。
一年前の誰も知らなかった一瞬に黙祷。
一年経って彼とともに生きている皆に乾杯!
何と素晴らしい言葉なのだろう。
心に沁みた。
野上郁哉のUrsが始まったのだ。
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