2012/12/28

The Sufi Beat of Pappu Sain
















パキスタン・ラホールにて毎週木曜日、
Baba Shah Jamal聖者廟で行われているスーフィー儀式の模様、
Dholを演奏するPappu sain、また聖者廟に訪れる人々を
ドキュメンタリーとして描き出しているショートフィルム。
このフィルムでPappu sainは自身について語っている。
さらに「overload」というユニットを漸進にPappu Sainが新しく作り上げようと
目論んだクラシカルなユニット「Qalandar Bass」の一部を垣間みることができる。
2007年の段階でPappu sain自身は「overload」としての活動から身を引き、
二番弟子であるNassar sainに 「overload」の活動を任せている。

新たなユニット「Qalandar Bass」で自身のビートを表現しようと試みるPappu sain。
そんなPappu sainが限りなく自由奔放にビートの海を航海するためには
一番弟子であるJhura sainは不可欠な存在であり、
Jhura sainこそが 「Qalandar Bass」の要となろう。

このショートフィルムではPappu sainのインタビューの他に、
Jhura sainのインタビューも収録されている。
Baba Shah Jamal聖者廟でPappu sainが毎回このような構成で
儀式を進めているわけではないことを思えばやはり
この映像は貴重であると言えよう。

2008年9月中旬、スーフィー砂漠巡礼からラホールに戻り、
最後に私が木曜日のBaba Shah Jamal聖者廟を訪れた際には「Qalandar Bass」として
Dhol、ナガラ、トランペットによる構成で儀式は進行していた。
その際に私が強く感じたのはPappu sainが聖者廟におけるこれまでの
スーフィー儀式形態の範疇を越え、より音楽的なパフォーマンスを
本気で求め始めたのではないか、ということだった。
それは私にとって衝撃的なことでもあった。
なぜならばPappu sainが聖者廟での演奏において、
これまで頑なにこだわり続けたドールワラーの在り方やルーツを越えて、
ミュージシャン、パフォーマーとして目覚めたことを示唆しているからだ。

Pappu sainのそのような精神的な変革が確かなものであるならば 、
やはり「overload」の活動を通してヨーロッパ各地を公演した経験が
強く影響しているのだろう。
ただ、巡礼帰りだった私はそのことに心の距離の隔たりを感じ始めていた。














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