2014/09/14

円卓 "こっこ、ひと夏のイマジン" -[行定勲]










2014/9/13 キネカ大森にて
監督:行定勲 主演:芦田愛菜円卓」を観た。
原作は西加奈子。 映画は小学3年生の主人公の渦原琴子 (通称:こっこ) の
ひと夏をクローズアップして展開する。
原作者の西加奈子がインタービューで語っているように
「小説には小説でしかできないものを書きたい」という想いと同じように
行定勲監督は映画監督として「映画でしかできないもの」として
原作からこっことそのシーンを映像化している。









キネカ大森にて関東再上映の初日、最終上映の後には
私がとても楽しみにしていた行定監督本人のトークイベントが開かれた。
まず監督からこの映画についての説明があった後、
観客の様々な質問や疑問などに監督本人が答えてくれるというスタイルで
一時間以上にも及ぶ充実したトークイベントだった。


東日本大震災後に先輩映画監督の岩井俊二や仲間達が
「何を表現すればいいかわからなくなった」と苦悩する中で、
自分は自分ができることをすればいい、というスタンスでありながらも、
「絆」という言葉や「何かしなくては」という行動が場合によっては
被災した人々にとって受け入れられないこともある、という温度差について
考えさせられる中で、脚本家 (伊藤ちひろ) の薦めで小説「円卓」と出会い、
悩みの答えがそこにあったように感じた

その自分にとっての答えは 「イマジンする」ことがいかに大事なことか、
もし「イマジンする」ことが足りないのなら、大人のために、
かつて子供だった大人が忘れてしまった大切なことを映画にしたいと思った、と
行定勲監督は語った。

監督は主演女優の芦田愛菜については子供でありながら、
その域を超えた立派な女優であり、小さい頃の彼女を記録するべきであり、
自分はするべきことをしたと語った。
私が「芦田愛菜でまた映画を撮りたいか」と質問すると
「彼女が16歳になったら撮らせて欲しいと既に話してるよ」と笑った。
こっこを演じるのは芦田愛菜しかおらず、お願いに行った旨を語ると同時に
芦田愛菜が見事なまでに「パンクなこっこ」を演じてくれたと絶賛した。

私は16歳になった「こっこ」をイマジンした。
そんな「こっこ」は Patti Smith が大好きで、
[Spell]にある "Holy Holy Holy!" が口癖かも知れない。


トークイベント後にはサイン会があり
パンフレットにサインを頂き、監督と握手。
監督の小さく柔らかい手に私は驚いた。


※キネカ大森にて「円卓」9/13〜9/26まで上映中。
http://www.ttcg.jp/cineka_omori/nowshowing

行定勲監督のトークイベントは9/20 18:45回上映後にも開催とのこと。


最後に今回のトークイベントで嬉しかったのは監督の
「本来、映画を創っているのは、それを観に来ている人達なんです」
という、私達を「現場」にいざなうさり気なくも強い一言だった。





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